地味だけど不可欠。
日本のものづくりを支えている
西日本営業部 関西支店 副支店長 2008年入社 (キャリア採用)
T.K
心がけているのは、
お客様を飽きさせないこと
Q.どんな仕事内容ですか?
神戸製鋼グループが製造する溶接材料をメインに、パナソニックの溶接機などを扱うルート営業です。販売店や問屋といった取引先を通じて、最終的には建設機械、自動車、造船、鉄鋼など、さまざまな分野のお客様に商品を届けています。
営業のスタートは、既存の販売店への定期訪問から始まります。日々顔を出しながら信頼関係を築き、次第にその先のエンドユーザーである製造現場の企業とも直接やり取りするようになります。国内に広く取り引きがありますが、地域や担当業界が変わっても基本的な営業スタイルは一貫しています。
Q.顧客対応でとくに気をつけていることは?
私たちにいちばん求められているのは、「必要なときに、必要な量を、確実に届ける」こと。製造現場にとっては一日単位の遅れが致命的になることもありますから、供給の責任を強く意識して動いています。
また、営業として意識しているのは「お客様を飽きさせない」ことです。
日常的に訪問していても、製品情報や市況の変化、メーカーから得た新しい資料など、何かしら「お役に立てそうな価値のある話」を用意して臨むようにしています。
Q.「必要なときに、必要な量を、確実に届ける」ためには、どのようなことが必要ですか?
大前提として、神戸製鋼グループの一員として、溶接材料を安定的に供給できる体制を持っていることは、当社の大きな強みです。とはいえ、いくらモノがあっても、現場のタイミングに合わなければ意味がないので、普段からお客様との密なコミュニケーションを意識しています。
例えば「いつ、どれだけ使うか」の情報を事前にキャッチできるよう、日頃からしっかり聞いておく。お客様によっては、生産スケジュールの変動が大きかったり、予期せぬ注文が入ったりすることもあるので、変化に気づけるような関係づくりも重要です。
また、社内や仕入先様との調整も欠かせません。自分だけで完結する仕事ではないので、「この納期に間に合わせたい」「この量を急ぎで出したい」といった要望に応えるために、物流や工場側と連携すること。さらには、販売店との協力体制も大切です。
安定した商品供給という土台があるうえで、「現場を止めないための調整力」や「変化に気づける関係構築」が、実際の現場では求められていると思います。
Q.では「飽きさせないための工夫」とは?
何かしら新しい情報や提案を持って行くようにはしています。製品そのものでなくてもいいんです。市場で「今こういう動きがありますよ」という話題だけでも、話のきっかけになります。溶接関連に限らず、いろいろな提案をしています。
最近では、AIカメラ。用途はさまざまですが、たとえばガスタンクなどのアナログメーターに設置し、遠隔で数値を読み取り、AI機能でデジタル変換してクラウドで管理できたりする。溶接材料とはまったく異なる分野ですが、現場での課題解決につながる新しい提案として持ち込んでいます。
こうした新しい提案ができるのも、商社という立場の柔軟さがあるからです。扱う商材に縛られず、お客様のニーズに応じてアイデアを形にできるというのは、この仕事ならではのおもしろさですよね。
ものづくりの現場は
いつもダイナミック
Q.どんな部分でやりがいを感じますか?
やはり、日本を代表するような製品のものづくりに関わっているという実感があります。
当社が供給したモノ(材料や機器)から、メーカー各社の先端技術により製品化された商品が世にでて、世界からも高く評価されています。また、供給した材料によって、大型構造物が完成する過程を実感できることもおもしろみのひとつ。
溶接材料そのものは目立たない存在ですが、それがなければ製品は完成しません。自動車、建設機械、造船、建築など、製造現場を縁の下の力持ち的に支えていることはやりがいにつながっています。
Q.今まで関わったプロジェクトで印象的なのは?
関東勤務時代に担当した、機械商社様との取り組みはとくに印象に残っています。納入先は建設機械メーカーの下請けをされる企業だったのですが、多くの台数のロボットを納品させていただいたことがありました。
当時は一般的にもロボット導入の初期段階で、どちらの工場でも1〜2台しか使っていない状況のなか、積極的な設備投資で業界内でも存在感を高めて急成長しました。
私どもがというよりは、その会社自身の努力や方針があってこそですが、初期の段階から営業として伴走し、成長の過程を間近で見られたことは非常に貴重な経験でした。
困ったときは
すぐに相談できる安心感
Q.若手の成長を支えるために、どんなことに気をつけていますか?
一番大切にしているのは、気軽に相談できる雰囲気づくり。チャットなどで常に連絡が取れる体制があるので、困ったことがあればすぐに相談できる環境はあると思います。
実際、日常的な価格や納期の相談はもちろん、「この場面でこう言っていいですか?」といった小さな相談まで、チーム内で常にやりとりがされている。日常的にコミュニケーションが取れているので、大きな問題が起きるということはまずないですね。
Q.ご自身もそのように育ってこられたのですね。
そうですね。入社当初から、困った時にはすぐに誰かが手を差し伸べてくれる環境がありました。
ずっと以前は、商社ならではの個々に動くスタイルも残っていましたが、今はチームで助け合う文化が根付いています。自分自身も多くの人に助けられてきたので、今はそのバトンを渡す立場として、しっかりサポートできる存在でありたいなと思います。
Q.あえて、失敗談を教えてください。
入社5年目のころ、仕入先様にかなりご迷惑をかけたことがありました。提案型のシステム案件を受注した際、価格交渉でお客様のご要望を受け入れすぎてしまったのです。それによって当社の利益を圧迫しただけでなく、仕入先様にも無理をお願いする形になってしまった。納期が厳しかったのでお盆休みも返上でご協力いただいたことがありました。いま思い出しても冷や汗が出そうです。
でも、この失敗を通じて「ただ売るだけではダメで、現場や協力先様を守る責任も、商社人としての役割」という非常に大切なことを学ばせてもらいました。今は三方よしを肝に命じて仕事をさせてもらっています。
リモートも大いに活用して、
メリハリのある働き方
Q.働き方の自由度は高いですか?
現在は在宅勤務も柔軟に活用できる環境が整っています。私自身、集中して取り組みたい資料作成や整理業務があるときには、在宅で集中することもあります。
会社にいるとどうしても周囲からの問い合わせや新しい業務が発生しやすいですが、在宅だとそれを一旦遮断できるのがメリットです。そんなふうにメリハリをつけて働けるのは、非常にありがたいと思います。
Q.在宅勤務はチーム連携に支障はありませんか??
まったく問題ないですね。社内チャットやTeamsでのやり取りが日常化しているので、営業メンバーが出社していなくても連絡が取りやすい。以前のように「全員が一カ所に集まる」ことは少なくなりましたが、情報共有や会議はスムーズに行えています。
Q.DX化が進んでいますね?
そうですね。業界としては比較的アナログな体質が残るなか、当社はコロナ禍をきっかけにいち早くDXに取り組み、社内のデジタルツール導入が進みました。
最初は新しいツールに慣れない人も多く、結局「会社に来て会った方が早い」というメンバーもいましたが、今ではすっかり定着しています。慣れてみると便利なことも多いし、業務効率もいいですからね。デジタルだからできる連携メリットを活かしつつ、お客様の現場にもしっかり足を運ぶ。メリハリをつけながら、各自が働きやすい環境になってきたと思います。
わたしのオフタイム
オフは家族との時間を最優先。家族みんなで大ファンである浦和レッズの応援に行ったり、子どもの部活を応援にいったりと、子どもたちと過ごす時間が楽しみです。
ある一日のスケジュール
※ 所属部署は、インタビュー当時の部署を掲載しております。